英語2000時間説とは?
「英語2000時間説」を聞いたことがありますか?
簡単に言えば、「英語を2000時間勉強すれば話せるようになる!」という説です。
しかし「なんで2000時間なの?」「2000時間って言われてもどのくらい勉強すればいいの?」
と疑問を持つ人もいるでしょう。
そこでこの記事では、この説はどこから来たのか?、2000時間を達成すると起こる変化、どのくらい勉強すればいいのか、を僕自身の経験をもとに解説します。
英語2000時間説の正体は?
米国政府職員が日本語を学ぶのにかかる時間
アメリカ国防省にFSI (Foreign Service Institute ) という組織があり、仕事で外国人と接する米国政府職員に向けて、言語や文化を学ぶ研修を行っています。
そこでは、難易度別に4グループに分けられており、日本語は最も習得が難しいグループに分類されています。同じグループにはアラビア語、中国語(広東語、北京語)、韓国語があります。
この最も難しいグループの言語習得にかかる時間が2200時間とされているのです。
つまり、米国政府職員が日本語を習得するのに2200時間かかるということです。
この考えが元となり、逆方向での言語習得も同じくらいの時間がかかるはずだ、と考えられたのです。
ここから「日本人も英語を約2200時間勉強すれば英語が話せるようになる」という説が生まれたのです。
残りの1000時間をどう補うか
2000時間説の根拠はなんとなくわかりましたが、
「2000時間ってどのくらい勉強すればいいの?」
という疑問はいまだに残っています。
そこで一つ一つ紐解いていきましょう!
小学校から高校卒業まで、英語の授業時間は約1000時間あります。
小学校(210時間)
中学校(420時間)
高校(450時間)
つまり1000時間は授業中にじゃがりこを食べても、コンビニで買ったリプトンを飲んでも、何も特別な努力なしで誰でも達成するのです。
しかし、これでは2000時間に到達せず、残りの1000時間を自己学習で補う必要があるのです。
大学に行けば英語をまだ学ぶ機会はありますが、文学部を専攻するとは限りません。高校卒業後に就職する人もいるでしょう。
つまり、これまで勉強してきた英語を「コミュニケーションの道具として使える英語」にするには高校卒業までに身につける必要があるのです。
1週間で何時間英語を勉強すればいいの?
ここからは高校卒業までに使える英語を身につけたい、と仮定し具体的な取り組み方をみていきます。
英語は小学3年生から始まるので、高校を卒業するまでの期間は10年間になります。
では「高校卒業までに英語を身につける(2000時間達成する」には1週間で何時間勉強すればよいのでしょうか。
これを計算すると週に約2時間です。
週に約2時間自己学習をすれば、高校卒業までに英語を身につけられる(2000時間達成する)のです。
もちろん、週2時間を高校卒業まで続けたからといって誰でも話せるようになるわけではありません。
しかし、学習計画を立てる時の目安としては参考になるでしょう。
(例)週2時間の取り組み方
週2時間の自己学習を「え?たったの2時間でいいの?ラッキー!」と考える人もいれば「2時間も?学校の宿題で精一杯なんだけど。塾もあるし。」と感じてしまう人もいるでしょう。
そこで週2時間の取り組み方の例を具体的にいくつか紹介します。
子どもに合わせて、無理なく長く続けられる計画を立てましょう。
1. オンライン英会話週4回
オンライン英会話は1回約30分なので4回で2時間です。
例 平日3回、土日1回
2. オンライン英会話週2回+英会話教室週1回
英会話教室(約1時間)とオンライン英会話2回で2時間です。
例、平日オンライン英会話2回、土曜日は英会話教室
3. オンライン英会話+お家英語
アニメ、映画、英語の本などお家で出来ることをしましょう。ゲームをしながら英語を学べるサービスもあります。子どもの興味に合わせて、飽きるまで学ばせてあげましょう。
例 オンライン英会話2回+英語の本を読む時間(30分)×2日
例 オンライン英会話2回+英語で映画見る
例 オンライン英会話2回+ゲームを英語で行う時間(1時間)
実際に2000時間を超えて分かったこと(体験談)
僕の場合は大学4年生の時に2000時間に達しました。
英会話スクール(週1時間×3か月)→12時間
語学留学(4か月)→600時間
オンライン英会話(3か月)→36時間
大学の授業+自己学習→400時間
小中高で1000時間、大学で1000時間です。
そこで語学留学から帰ってきた後(大学4年時)のことを思い出しながら、自分の当時の英語のレベルを解説したいと思います。
成長を感じたこと4つ
- ネイティブの英語が70%くらい理解できる
- 第二言語で英語を話す人と会話で困ったことはほとんどない。
→大学生の時、観光地のホテルで働いていましたが、アジアやヨーロッパの人と会話で困った経験があまりありません。 - 言いたいことを自分の知っている英語を使って表現できるようになった。
→どんな言葉でも自分の言葉で説明できる自信がつきました。 - 英語でニュースが読めるようになった。
→CNN,BBCなどのニュースが読めるようになりました。就活のために勉強していたトイックの勉強が役に立ちました。
もう少し学習が必要だと感じたこと4つ
- 英語のイディオムに弱い
→ネイティブがよく使うイディオム(熟語・慣用句)の中で、まだ知らないことが多くありました。 - ネイティブのポッドキャストは60%しか理解できない
→僕の好きなポッドキャスト「My Favorite Muder」を50~60%の理解度でずっと聞いていました。 - 映画・ドラマは70%くらいしか聞き取れない
→この理解度だと、ストーリーは分かっても、深いところにある内容の面白味を理解できません。 - 小説を味わうことができない
→情景を説明する形容詞、表現の語彙が圧倒的に足りませんでした。
これが僕が感じた当時の英語力でした。
スピーキング力をまとめると、
「会話で困ることは多くはないが、自分の伝えたいことを細かく説明するというより、大まかに同じ内容が伝えられるように大事なところだけを抜き取って会話している感じ」でした。
趣味の話、詳しく説明したいことがある時には、どうしても日本語と同じレベルで説明することはできない、実は今もそんな感じです。(笑)
英語2000時間説まとめ
- 英語2000時間説は「米国政府職員が日本語を習得するのに2200時間かかる」というところからきている。
- 小学校〜高校卒業までの英語の授業時間1000時間に加え、残りの1000時間を自己学習で補う必要がある。
- 小学校3年生から高校卒業までに、英語習得達成目安の2000時間を達成する場合、週2時間で達成できる。
この記事を通して伝えたことは2000時間を達成すれば、英語で意思の疎通を取ることは可能、ということです。
ほとんどの人に高い英語力は求められていれおらず、「意思の疎通がとれる」レベルで困ることはほとんどありません。
まず週2時間は英語に触れる時間を作ることから初めてみましょう。